ブレイキング2がもたらしその成果 その2「シューズ検証」 〜シューズアドバイザー日記

  • 2017.05.19 Friday
  • 16:00

みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です。

 

人類史上最速のマラソンタイム、『2:00:25』が出てから、半月ほど。予想以上に世間の関心が低いことにびっくりしています。ナイキというシューズメーカーが実施したタイムトライアルだけに、シューズがなんなんだ、ということのなのでしょうか?やはり日本は、いまだ精神論の「シューズに頼らんで、己を鍛えろ!」なのでしょうか?それとも日本最高記録と約6分差のこの記録に、話題にすら触れたくないということなのでしょうか?トップ選手ならこれは約2Kの大差になってしまいますからね。

 

実は、今回キプチョゲらが履いた「ズームベイパーエリート」とほぼ同様使用の市販品モデル「ズームベイパーフライ4%」のプロタイプがその名、「4%」が相応しいかテストされています。ナイキの協力を経てコロラド大学の研究チームが検証しました。「ZVF4%」のその名前は、ランニング効率を4%高めるということに由来していますからね。

 

検証実験は、「ZVF4%」と現行品の「ナイキズームストリーク6」それと世界最高記録樹立シューズ「アディダスブーストジャパン2」、この3足でメタボリックコスト(代謝コスト)を18人のランナー(10K 31:00以内のランナー)をもとに計測しました。各ランナーは、4:15、3:45、3:15の3種類のペースで、5〜6分間を走行、シューズはランダムに使用され、それも3回、別日にも行ったというものでした。

 

そして、結果としてメタボリックコストが2.7〜5.3%あたりで改善が見られ、これは4.0±1.3%という結果になり(ちなみにストリークとブーストジャパン2はほぼ同じコストであったとのこと)、結果によると「4%」のそのネーミングは、かなり的を得ているようです。

 

9mmドロップのソール形状で、前方方向に移動を促し(トレーニングシューズに近い)、推定20mmドロップくらいありそうなソール前足部のカーボンのカーブの構造が、それが接地時間を極端に短くするような設計のようです。ソールの屈曲がないことからも、レーシングシューズというよりもトレーニングシューズに近く、カーボンプレートをミッドソールに配置する手前、見た目がホカオネオネのようなですが、考え方も近いような気がします。屈曲せず前方に誘導させる、少しそんなアイディアもミックスされた構造体と言えましょう。

 

 

とても魅力的な、なんだか速くなりそうで、データだけ聞いてもそうなりそうですが、実際のレースとは異なる点もあります。これらのデータは、トレッドミルの上で5分であって、42.195Kを走ったデータではないこと、実験最高ペースが3:15であって、2:50でもないこと、などがあげられます。これだけでは、誰もがこのデーター通りになるとは言い難く、「履けば速くなる」とは言い切れないのかもしれません。

 

ただ「信頼して履けば速くなる」ということは言えるようです。非常に精神的な部分ですが、シューズに対する信頼度で結果は変わってくるようです。

 

その対照的な代表が今回のキプチョゲと世界王者ケネ二サ・ベケレです。彼らのエージェントをしているジョス・ハーマンは、「キプチョゲは、ベケレよりシューズから大きなベネフィットを得ている。これは驚くべくことではなく、それも力になっていると思う。」と語っています。二人ともナイキアスリートですが、好対照な結果はここにもあるのでしょうか?

 

2015年のベルリンマラソンでインソールがシューズからはみ出しても、優勝して、その後もナイキ社との良好な関係を築き、今回の快挙につなげたキプチョゲと、ロンドンマラソンで惜しくも2位ながらも、裸足で履いた「ZVF4%」に豆が出来たことをまず敗因にあげたベケレ。ポジティブな効果を感じるかどうかも、その使う本人が信頼して使うか、というところも大きいでしょう。

 

イクイップメントドーピング(道具によるドーピング)が騒がれた今回でしたが、使用するランナーのギアに対する信頼感、ポジティブなイメージと本当にデータに裏打ちされたシューズポテンシャル、それらの共同作業であることは間違いありません。

 

ちなみに、市販品モデル「ZVF4%」は、タイムトライアルに先立って、ボストンマラソンで初お目見えしました。そして、大迫選手をはじめ、男女の1位、3位がベイパーフライ4%を履き、ポジティブな効果を印象付けました。また、今回陰に隠れましたが、2:50の正確なペースを刻み続けたペーサー陣の彼らの足元も、全員同色の「ZVF4%」だったことも追記しておきます。

 

 

シューズはパフォーマンスをあげるために、とても重要なファクターのひとつであり、信じて使用したランナーがポジティブな効果を得た。ナイキブレイキング2タイムトライアルで、オールナイキが見せたパフォーマンスはまさにそれ、そのものだったと言えるでしょう。

 

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